戦場にて
引き絞られたトリガー
弾き出される鉛弾
青空の下 大地の上
草原
陽だまりの中
穏やかに眠る男たち
間近で轟く砲声さえも
彼らを目覚めさせることは
ない……。
故郷の両親の為に
大切なあの人の為に
愛しい我が子の為に
信ずる神の為に
そして、生まれ育った国の為に
何も僕らと変わらない
小さな幸せを守りたかっただけ
それでも
僕は トリガーに指をかける
このくれなゐに染まった両の手を
血に塗れた悪魔の如き姿を
どうか
←「未来の忘れ物」へ
Copyright(C) KASIMU/トッシュ all rights reserved.