Unknown blues.



涙の色に染まった空

見上げると意識が蒼く染まる

痛みも哀しみも押し流す蒼

刻まれた疵さえ塗り潰す 蒼……



果ての無い廊下を駆け抜けて

何時まで続くのか 堂々巡り

振り向いてもただ 涙が音も無く落ちるだけ

溢れ出す罵声より 波風立てない淋しさが痛い



君の声を聴かせてくれ 他愛も無いからかいでも良い

君の温度に触れさせてくれ 僕の凍えた指を 心を……



秒針の刻む音 一つ一つが不安を駆り立てる

闇の中へと融けていく 彼らには行き先があるのか

熱を持たない光の塊よ どうだ滑稽だろう 僕を嘲笑ってくれ

手加減抜きに押し広がる黒よ 僕を塗り潰してくれ

朝は来るのか……



大雨でも降れば良い 打ちのめされるキッカケを下さい

涙を洗い流せば もっとはっきりと夜が見えるだろう

温もりを総て奪い去ってしまえば 小さく震える弱さが顕れるだろう

水溜りに沈んで泥だらけになれば

きっと それが始まりになるだろう



雨上がりの空は とてもキレイで……



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