伸ばした手の掴むモノは何 だんだんあちこち痛くて泣き出す

哀しいままに泣き喚いた 淋しいから黙って泣いた

閉め忘れたカーテン 皮肉な程に眩しい朝陽



区切れない鬱懇色の意識 割り切れない灰色の想い

世界の彩度が奪われていく

目の前で淡く滲む天井

弱さの味しかしない涙



瞳の無い眼の映すモノは何 じっとりベタつく冷たい寝汗

シャワー・ルームで水を浴びた しゃがみ込んで水音を噛み締め

今頃鳴り出す 役立たずなアラーム……



君は今 何処を彷徨ってるんだろう

あの夜 何時ものように重ねた唇

心の奥まで触れ合えないkiss.



朝陽の下に晒された真っ白なシーツ

紅いルージュで綴られた
『さよなら ごめんなさい ありがとう』

零れた雫でピンクに滲んだ
『さよなら ごめんなさい ありがとう』



君の温もりも 君の匂いも 総て夜が拭き取っていったよ

涙の止め方を教えて下さい 嗚咽の止め方を教えて下さい



痛いくらいにシーツを抱きしめ

カタカタ震える唇が紡ぐ


GoodBye Sorry Thanks……



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