第五回 「語るべき“時”」 “過去”“現在”“未来” “時”を語るべき要素たるそれを指す 三つの言の葉 いずれを欠いても “時”は成立しない しかし “あの”『彼』にとって “過去”は記録でしかなく “現在”は通過地点でしかない そして “未来”は─── ───いや 私は それについて語るべき言葉を持たない この“時”を見る者たちへ“語り部”より 2023年8月18日金曜日 天候・晴天。AM11:12。 川越市某所の公園のベンチに金髪の少女と黒髪の少女が並んで座っている。ちょうど 木陰にあたるので、一休みするのにはちょうどよい。 「今日もよく晴れてるわね。やっぱり夏はこうでないと」 「そう思うけど……なんで夏でもそのコート着てるの?」 黒髪の少女───叶が当然の疑問を口にする。金髪の少女───ミーリィは夏場だと いうのに白のコートを着用している。今は着てはいないが、傍らに畳んで置いてある。 「それはねぇ〜、一種のこだわり、ってやつよ。この隊に入ってからずっとだから今 更やめる気もないし、いろいろ持つにも便利だし……別に困ることなんてないのよね」 「……暑く、ないの?」 ミーリィの服装はさすがにコート以外は夏場の服装だが、コートを着ていては無意味 に思える。一応白なので、見ている方もあまり暑苦しくないのが唯一の救いだ。もっ とも、ミーリィは他人の目をあまり気にしないタイプなので、コートの色が白なのは 本人の好きな色だからだろう。 「全然。というより、アタシは暑さとか寒さにたいして鈍いのよ。昔脳をいじくられた影響だと 思うけど。まあ、別に困ることもないからいいんだけどね。あれ、叶に話さなかったっけ?」 ミーリィがあまり良いと言えない過去をあっさりと言う。 「……ううん、はじめて聞いた……」 叶は首を小さく横に振ってから、うつむく。以前ミーリィと同調したときに熱に対す る感覚が鈍すぎると感じたが、こんな理由があるとは思いもしなかった。なんとなく 悪いような気がしてなんとなく落ち込んでしまう。自分のことではないのに。 「やぁね、そんな深刻そうな顔をしない。所詮過去は過去でしかない。それにあなた が気にすることじゃないわ。まあ、そのことは意外と鮮明に覚えてるのよね」 ───もっとも、一番大事なことはまったく思い出せないけど。ミーリィは心の中で そう付け足した。 「……それはそれでどうかと思うけど……」 自分の体が解剖されている光景を覚えているなんて、まともな神経を持っている人間 には耐えられないことだ。何を持って「まとも」というのが最大の問題だが。 「健全なる少年少女に原色スプラッタを見せるのは精神衛生上よくないことだしね。 まあ、慣れちゃえばどうってことないんだろうけど……慣れっていうのはつくづく恐 ろしいものね……あの状態で慣れろっていうのも無茶な話だけど」 ミーリィはいつも自分のことを他人事のように話している。ミーリィが叶をからかう のは日常茶飯事だが、こういう形だと、からかわれているんだかそうでないのか判断 がつかなくなってくる。 (前からミーリィってちょっと変わってると思ってたけど、ここまで来るとただの変 人に思えてくる……はぁ) 心の中でまでため息をついてしまう叶であった。そこでまだ自分がうつむいている体 勢であることに気づき、顔を上げる。 ───と。 何かが猛スピードで叶に飛びついてきた。さすがの叶もとっさに避けることもでき ず、その勢いで叶の体が後ろへ大きく仰け反る。叶が座っていたベンチに背もたれが あったなら、倒れずにすんだかもしれないが、残念ながらそのベンチには背もたれが なかった。結果、飛びついてきた何かにしがみつかれた状態で叶はベンチの後ろに倒 れることとなった。 もしスカートを履いていたらあられもない姿になっていただろうが、今日はショート パンツを履いていたのでそれは免れた。 (なんでこういう状況下だとどうでもいいことを考えるのかな?) とりあえず起き上がろうとしたが、何かが上に乗っかっていてうまく起きあがれな い。しかも、何か息苦しい。 そういえば、飛びつかれたときに「かないおねえちゃーん!」という声を聞いた気がする。 叶は少し頭の中を整理し考えてみた。自分のことを「おねえちゃん」と呼び、いきな り飛びついてくるような人物は一人しかいない。そして、その人物がいま自分の上に 乗っかっている。 「……ちよりちゃん」 その人物の名を口に出してみる。相手の手がのどあたりにあるので声が出しにくい。 息苦しかったのはそのせいだったようだ。 「うん、なぁに?」 飛びついてきた何か───否、ちよりは満面の笑みで返してきた。無邪気というのは こういうことをいうのか。 「手……どかしてくれる?」 「うん!」 ちよりは元気よく返事をするとのどの上にある手をどかし、叶の肩の上に手をつく。 息苦しいのは直ったが、根本的な解決はしていない。 ───起きられないのだ。幸い、ちよりはかなり小柄なので重くない。しかし、ちよ りは肩についた手に無意識に体重をかけているようで、完全に叶を押さえつけてしまっている。 「えっと、ちよりちゃん?起きられないからどいてくれないかな?」 「うん、わかった」 ちよりはすぐに叶の上からどくと、ベンチの横にちょこんと座る。 叶はそれを確認してから起き上がろうとしたが、今頃になって足だけがベンチにのっ ていることに気づいた。足をおろしてから起き上がる方法もあるがそれだと少し時間 がかかる。仕方がないので叶は地面に両手をつき、よっ、という掛け声と共に仰向け の状態から一気に倒立の体勢へ持っていく。ゆっくりと足をおろし、地面に足をつけ る。手を地面から離し上半身を起こすと、ベンチに座っているちよりが小さな手で拍手している。 叶にしてみれば大したことではないのだが、一般人から見ればすごいことなのだ。 「お見事。そのサービス精神はちよりちゃんのため?」 ミーリィがくすくす笑いながらちよりの頭をなでている。 「そういうわけじゃないけど……そうなるの?」 「一般的にはそうね、たぶん」 「ねえ、かないおねえちゃん、ちよりね、うみにいってきたの。ほらほら」 ちよりはTシャツの襟を引っ張って水着のあとを叶に見せる。 「そうなんだ。楽しかった?」 「うん、とっても!」 ちよりがとてもうれしそうに叶に話をしている横でミーリィは誰かがこちらに近づい てくるの発見した。セミロングの髪の女性だ。 「あ、育美さん」 「あら、ミーリィちゃん。お久しぶりね」 「あの、ちゃん付けは……」 「やめてください、でしょ?ちょっと恥ずかしいぐらいならいいと思うわよ」 「それはそうですけど……」 それは育美であった。どうもミーリィは彼女が苦手らしい。 「あー、ところで、旦那さんは?」 育美から視線を外しながらさりげなく話題を変える。 「あの人なら確か……そうそう、久々津さんに呼ばれて筑波に行っているわ。今日の 午後帰ってくるわ」 「久々津さんに……ですか……それに筑波って……」 急にミーリィの表情が深刻な感じになる。久々津という人物に、筑波という場所。 ミーリィには何かがあったように思えてならない。 「あまりよくない方向に考えるのは良くないわ。思考は常にプラスに保っておくべきよ」 「あ、それって星野さんが同じ事言ってました」 ちよりと話をしていた叶が口をはさんできた。 「そうよ。だってこれは楓先輩の受け売りだもの……あら、叶ちゃん髪が短くなってるわね」 「あ、わかりますよね。菅原さんが切ってくれたんです」 そう、叶の髪は8月の始まりぐらいまではセミロングとショートカットの中間点ぐら いの長さだったのだが、菅原が「夏ですから、この際切ってみては?」という提案 で、髪を切ってもらったのだ。そして、いまはショートカットになっている。おかっ ぱに近いような気もするが。 で、たまたまそこに居合わせた楓の感想は「やっぱり可愛い子はどんな髪型も似合う わね」だった。 「そういえば、刃神さんと育美さんの仲を取り持ったのって、楓さんでしたよね。ど ういう経緯だったんですか?」 「ねーねー、おとうさんとおかあさんのはなししてるの?」 ちよりが育美のロングスカートのすそを引っ張る。育美は少しかがんでちよりの頭を なでる。 「大きくなったら話してあげるわ」 「わぁ……うん!」 ちよりはうれしそうに返事をすると、そのまま公園の丘の方へ走っていってしまっ た。その姿を見ていると子犬を思い出す。 「うーん、あそこまで子どもらしい子どもって、今時めずらしいわね。無邪気って言 うか、四文字熟語だと純真無垢」 「ミーリィは違かったの?」 「まったく子どもらしくない子どもだった」 ミーリィが少し変な口調で叶の問いを返す。 「それじゃ、二人ともまたいつか会いましょう」 気づくと、育美が軽くお辞儀をしていた。反射的に二人もお辞儀する。育美の姿を見 送ってから、ミーリィが白いコートを取る。 「じゃ、PERCHに行こっか」 「うん」 そのころ、七番隊本部ではいままで仮眠を取っていたアルマが、洗面所で珍しくでき た寝癖を直していた。 アルマもショートカットなのだが、これは髪の手入れを省くためであり、あくまで機 能性を重視した髪型、とアルマは取っている。 寝癖を直したアルマは自分のデスクにおいてある書き置きを手に取り、目を通す。 『ミーリィと公園に行って来ます 辻』 『城に行って来ます 宮下』 『ご存じでしょうが念のため 京都に行っています 菅原』 『筑波に行って来る 本郷』 どうやら、皆出かけているようだ。つまり、ここにいるのは自分だけということになる。 「……今日の留守番は私というわけか。普段は辻がしているが……留守番とは虚しいものだな」 ため息こそつかなかったが、本当に虚しくなってしまうアルマであった。 「まあ、考える時間ができるからいいとするか」 京都───古都と呼ばれるその都市は日本国内での無魔最多出現地域である。なぜか はわからない。だが、理由など意味を持たない。必要なのは降りかかる火の粉を払う力だ。 その京都某所にある墓地。そこに菅原はいた。 今日は彼の姉の命日なのだ。ここ何年も来ていなかったが、なぜか今年は来たくなった。 彼女がこの世を去ったのは16年前。菅原がまだ小学校に上がる前のときだ。 菅原にとって姉の印象はだいぶ薄い。当時自分が子どもだったのもあるが、彼女自身 が病弱で、あまり彼女の姿を見ていなかったのもある。 「そういえば、あのときもこんな天気でしたね」 菅原はよく晴れた、本当に雲一つない空を仰いだ。 なぜかはわからないが、そのときの天気だけはよく覚えている。いまとまったく同じ 天気だった。本当に雲一つない、青い空。それが脳裏に焼き付いて離れない。 「……そろそろ行きますか」 墓前に花を添えただけで大したこともせずに墓地をあとにし、近くの公園に向かう。 そこはかつて公園であった場所だ。ここも異常緑化の影響で人を拒むような場所に なっている。 しかし、そうなっているのは周りだけであって、木々に囲まれた公園は過去の原型を 保ち、草が生い茂っている。そこにあった赤いベンチに腰掛け、何気なく腕時計に目をやる。 時刻はPM1:04。菅原はアナログの腕時計を愛用している。この方が味があるからだ。 しばらくそのまま何もせずにぼーっとしていると、木々を分け入る音が耳に入ってき た。わざわざこんなところに来る人間は限られている。もっともここに来るのは人間 に限ったことではないが。 それが公園の中に入ってきた。菅原は首だけをそちらに向ける。 「菅原、やはりここに来ていたか」 「どうも、風霧さん。支部局に呼び出しでもうけたんですか?」 「まあな」 そこにいたのは夏用のスーツを着た青年だった。しかし、きちっと着ているわけでな く少し崩して着ている。 彼の名は風霧 隼人。対無魔駆逐部隊日本国所轄近畿方面三番隊副隊長。彼の実力は 西日本最強と謳われており、この無魔出現最多地域に配属されたのもうなずける。 「関東はどうだ?こっちと比べて」 「住めば都と言いますしね……比較のしようがありませんよ。どちらもいい場所です からね。そちらはどんな状況ですか、風霧さん」 「変わらんよ、前と。街も人もな」 風霧も菅原が座っているベンチに座り、胸ポケットから飴を取り出し口に放り込む。 「で、今回こっちに来たのはあいつの墓参りか」 「そんなところです」 「俺の後輩だったから、葬式のときに顔出したんだが、お前、まったく泣いてなかったな」 菅原は目を閉じ、そのときのことを思い出してみる。 「こんなことを言うのは薄情なのかも知れませんが、僕は姉のことをよく知りません でした。だから、姉の死が他人事のように映ったんでしょう」 「なるほど、な。お前らしい返答をありがとう」 なぜか服装を整えながら言う。ふと、菅原があることに気づく。 「ところで、ルナが来ているようですが」 「ん?ああ、そこにいるだろ。俺との話に集中するのはいいが、彼女に気づかないの はちと薄情なんじゃないか?」 「さっき僕は薄情だと言ったでしょう」 菅原が冗談めいた口調で返す。 「ま、そんなことはいいさ」 風霧はベンチから立ち上がり、公園の丁度真ん中を指さす。 そこには白いワンピースを着て、麦わら帽子を浅くかぶった少女が立っていた。腰あ たりまである長い髪は、あの空と同じ尽きぬ青。その瞳も同じく空と同じ青。顔立ち はアジア系とも欧米系ともつかぬ中性的なもので、笑えば可愛いのだろうがその表情 はあまりにも無表情だ。 「恋人同士の語らいにおじゃま無視はいらんだろ」 「……僕たちはそこまでいってませんよ」 菅原が表情を変えずに否定する。 「ははは、そういうことだからからかわれるんだぜ。じゃ、来る気があったら本部に も顔出せよ」 風霧は二人をからかいながら踵を返し、分け入られた木々の方へ向かっていく。 「ええ、そうさせてもらいますよ」 菅原が軽く手を振りながら返事をすると、風霧は右手をあげてそれに応え、木々の間 を通って公園の外へ出ていった。 「さて……」 菅原はベンチから立ち上がり、ルナの正面に立つ。 「“イレギュラー”たる貴女がなぜここに?」 「…………会いたかったから……」 そういうとルナは浅くかぶっていた麦わら帽子を思いきり深くして顔を隠してしま う。その下で頬を紅くしているのは容易に想像できる。 「そう……ですか」 菅原は自分の頬をかきながら応える。 彼女は無口かつストレートで、思ったことを可能な限り短く言うのだ。最初と最後に 必ず三点リーダーがつくのが少し気になるが。 しかし、彼女がただ自分に会いたくて来ることはこれが初めてだ。常に何らかの目的 を持って菅原の前に現れているのだが、その目的のほとんどは曖昧なものだ。もっと も、初対面のときの発言からすれば驚くべき事ではない。そうだとしても、他に理由 があるはずだ。 「……なにか、伝えに来たんですか?」 ルナは小さくこくりと頷く。 「……“バベル”が来る……」 「“バベル”ですか……どこかわかりますか?」 「……東京の真ん中……」 彼女はこの世界の固有名詞をほとんど知らない。東京という固有名詞を知っているの は菅原に教わったからだ。地名くらいは多少わかるものの、建物の名前はさっぱりである。 そして、彼女がいう「真ん中」とは政治的、あるいは地理的な中心を指している。 まず、地理的な面は否定される。何をもって中心とするかがわからないからだ。とな ると残るは政治的な面だ。 国会議事堂は除外される。あれは国の中心であって東京の中心ではない。では、東京 の政治的中心は─── 「───東京都庁ビルですか」 無論、ルナにその単語を理解できるわけがないので確認は取れないが、まず間違いな いと見ていいだろう。それに菅原は知らないが、アレラとフェクィヴが東京都庁ビル で“バベル”がここに出現すると言っていたのだ。 “バベル”は中心地を真っ先に占領するという性質を持っていると、菅原は聞いてい る。そしてそこから一気に全体を占領する。いうならば、心臓からはじめて一気に毛 細血管まで占領するといった感じだ。 もしそうならば最悪の事態を想定しなくてはならない。おそらく現時点でそれを知っ ているのは自分を含めて……4人。ある存在の代理人たる彼らが知らないはずはない。 「わかりました、僕も可能な限り“バベル”への対策は講じておきますが、貴女はど うするんですか?」 「……戻るように勧めておく……」 彼女が言うことは主語を欠くことが多いので理解しにくいところが多いが、これはど こかにいる誰かをこちらに戻るように勧めておく、ということなのだろう。 「増援の期待をしていいということですね、わかりました。さて……」 菅原はまわりを見渡して、自分たち以外に誰もいないことを確認し、ルナの麦わら帽 子をおもむろに取る。 そして、軽く唇を重ねる。お互いの唇が触れ合ったのは一秒にも満たない時間だった が、それでもルナは硬直してしまっている。 「……ぅ……」 我に返ったルナは顔を真っ赤にして菅原から麦わら帽子を取り返し、また深くかぶっ て顔を隠す。やはりこういうところは女の子らしい。 「……そういうこと、するの卑怯……」 かなり恥ずかしそうに言うと、ルナはそこから逃げるように走り去ってしまった。菅 原はその後ろ姿を見ながら呟く。 「いい加減なれてもいいようなものですけどね……」 この発言から、同じようなことを何度もしていることがわかる。 ルナが完全に視界から消えたのを確認し、菅原は空を見上げる。「青の月」が青空に とけ込んでいる。 「どうやら、僕も『彼』に選ばれてしまったというわけですか……」 その“時”が来るときが近づく もう 誰も 時が進むのを 止めることはできない あとがき 第五回いかがでしたか? なにか日常部分が異様に多かったな……菅原メインのはずが……失敗したか? あ、でもなんか戦闘シーンなしだ……けど、恋愛シーンが!!自分で書いてて少し恥 ずかしかったり(汗) 質問、ツッコミなどありましたら容赦なくぶつけてください。 さて、次回は作者が書きたがっているミーリィの話です! では、また。 で、恒例のキャラ設定 風霧 隼人(かざきり はやと) 生年月日:1992年6月20日 身長:175cm 特殊能力:大気 近畿方面三番隊副隊長。西日本最強の実力を持つ。 刃神 育美(はがみ いくみ) 生年月日:1992年9月10日 身長:161cm 零司の妻(!)少し若作り。 刃神 ちより(はがみ ちより) 生年月日:2016年11月7日 身長:121cm 零司の娘(!)どういうわけか叶になついている。 ルナ 生年月日:不詳 身長:149cm 特殊能力:“空” “イレギュラー”と呼ばれる者。基本的に無口無表情。 用語解説・とりあえず今回は一気に。 ラボ:無魔やDAに関する研究所の総称。実に長ったらしい正式名称があるらしい が、誰も覚えていない。 日本での公認のラボは筑波、大分、十勝の三カ所。この三つのラボを守るために 北海道方面四番隊、関東方面六番隊、九州方面三番隊の三隊は人員の半分を裂いているほどである。 それ以外は大学の附属的なもので、規模は小さい。非公認のもの数多くあり、一部のものは 政府との繋がりを持っているともいわれている。 国内における行方不明者はラボに連れ去られている、との噂が立っている。ちなみに筑波は 都市の60%以上が研究所になっており、『学術都市』として世界に知られている。 ラボはその研究所のひとつである。 作中で言っているラボは非公認のものを指す。公認のものをいう場合は地名で言う。 多国籍都市:世界各国と日本の複合管轄の都市。日本では博多、神戸、横浜、函館、 佐渡などがこれにあたり、一種の経済特区となっている。ちなみに香港も多国籍都市 となっている。 世界連合:我々の世界でいう国際連合に相当する機関。トップの人間たちが支配体制 をしいているようである。ちなみにこの世界の人口は30億人。 アフリカ大戦:2015年5月9日に勃発したアフリカ全土を巻き込んだ戦争。同年 11月27日に終決。特殊兵器を多数使用したため、アフリカ大陸の92%が消失 し、アフリカ全人口の99%が消失。 現在は南アフリカ共和国が辛うじて独立を保っているが、滅びるのは時間の問題である。 |