――手を伸ばしても、届かない……
――夢よりも儚い願いを携え、想いの在り処を求める
あの時歩んだ空は、鮮やかな青
けれど、今見上げる空は紅に染まる
忘れえぬ約束と
おぼろげな記憶さえ消えてゆき
その涙を知る者すら、いない……
遥かな昔に訪れた者
遥かな昔から住む民
そして、新たなる来訪者
それらの全てが交わりし刻
それらの全てが出逢いし時
何が始まるというのだろう
流された涙は大地へ
零れた血は心の闇へ
結ばれた想いは砕け散り
裂かれた願いは闇の彼方
舞い上がる焔は美しく
揺らめく焔は輝き揺らめく
繋いだ手を振り払い
求めた願いは悲しみへ
ただ無為に過ごした永遠と
意味のある限られた時
どちらが正しいかなんて、誰も知らない
過去に存在した英雄と
現在に現れた英雄と
彼らが携えた想いは、全てが同じ
構えた剣に願いを託し
伸ばした手には希望を抱えて
その肩にあるのは、ただ重いだけの期待
すべてを知っていた
すべてを見つめていた
だからこそ、わかる事がある
決して口には出せないけれど
決して顔をあわせはしないけど
ずっと、想っているから
それら全ての願いが叶うように
幼い日々の思い出と
今も残る、記憶のカケラ
懐かしい全ては時の彼方へ
愛したものも全てが消えた
守ることを望んだから
忘れたと想っていた
忘れたと願っていた
あの、遠き日の、約束を
全ては時の流れから
いつから始まったかなんて、誰も知らない
複雑に絡み合った流れ
複雑に交じり合った想い
けれど、本当はひどく単純なこと
だって、あの時願ったことはひとつだけ
その笑顔を望んだだけだから……
――永い刻の中で、巡り会う……
――それは数奇な運命を辿った、幾多の旅人達の物語
それは、“未来を求める者たち”の残した物語
紅く輝く焔<ほのお>を抱え
小さな約束だけを胸にして
あるはずのない、幸せな未来を夢に見て
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