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+迷い子+

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 いつまでたっても、出口がみつからない。

 目は確かに前を見て、足もまっすぐ進んでいるのに。

 なのに、どうしても、終わりにたどり着かない。




 どうしてなのだろう。

 どうして、こんなにも迷ってばかりなのだろう。




 不意に、泣きたくなる。

 先が見えない不安と、終わりの訪れない安堵に。




 ぐるぐるまわるキモチは、いつだってひとつに落ち着こうとはしない。

 だから、いつでも苦しいままだ。




 他のひとはどうなのだろう。

 きっと、こんな風に情けなく迷ったりしないのではないかと、そう思う。




 いつまでも迷って泣いているのは、わたしだけ。




 でも、と。

 心のどこかで、わかっている気もするのだ。




 誰もがみんな、一度はとおる道なのだと。

 誰もがみんな、迷い子となって泣く日があるのだと。




 だから、どんなに悲しくて苦しくても、歩くのだけはやめない。

 どこに先があるのかもわからないけど、あきらめることだけは、しない。




 そうして、迷い子でなくなったとき。

 見上げた空の青さを、この目に焼き付けた。



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<管理人のひとこと>

戸惑うばかりの心。
それを思って描いた詩です。
わたしのことでもあるのかも……。

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